成功するオウンドメディアは、サイト集客からCTA誘導までのマーケティング戦略設計が秀逸です。しかし、オウンドメディア構築に必要なフローは多岐に渡り複雑なため、これをしっかり整理できておらず行き詰まってしまう企業が多いのです。
そこで今回は、戦略設計から運用開始までのオウンドメディア構築ステップをまとめ、各ステップで押さえておくべきポイントをご紹介します。
目次
オウンドメディア構築ステップ:準備編
オウンドメディアの制作作業に入る前に、決めておくべきことを整理しました。
リサーチおよび競合分析
ますは、自社のオウンドメディアを立ち上げた際に検索順位を競うことになる競合サイトの状況を把握しておきましょう。
調査するポイントは、競合サイトがどれくらい存在し、それぞれどの程度SEOパワーがあるのかという2点です。自社商材のお問合せ・資料請求などに繋がりやすい検索キーワードで実際にWEB検索を行い、上位表示されているサイトをいくつか調査します。
メディアコンセプトの決定
次に、どのようなコンセプトのメディアを構築したらターゲット顧客のPV数が上がるのか考え、メディアコンセプトを決定します。メディアコンセプトを決定する際は、上述の競合分析の結果を加味しながら、競合サイトよりもターゲットを多く集客できるコンセプトを企画しましょう。
ドメイン、サーバ環境、管理方法を決定する
メディアコンセプトが決定したら、次はドメインを決定します。
自社で既にもっているサイトがあるようでしたら、そのサイトのドメインのサブドメイン、またはディレクトリ配下にオウンドメディアを構築した方が、既存のサイトが持つ被リンクなどのSEOパワーを引き継げるため有利になります。
既存サイトのサブドメインまたはディレクトリとして構築する場合でも、完全に新規のドメインで構築する場合でも、メディアコンセプトに沿ったドメインを設定することが大切です。
ドメインが決定したら、サーバ環境や記事などのコンテンツ管理方法をどうするのか決定しましょう。コンテンツ管理には、WordPressを利用したりCMSを構築したりする方法があります。
サイト集客チャネルを決定する
オウンドメディアを構築したら、サイトへターゲットを集客しなくてはなりません。
基本的には自然検索経由でのアクセスが費用も掛かりませんし、自社商材に対してニーズ・課題を持った層が来訪するため望ましいのですが、SEO対策の効果が現れるまでにはそれなりの時間を必要とします。
そのため、SNS経由でのアクセスや、広告経由のアクセス、メルマガ経由でのハウスリストからのアクセスなど、集客チャネルを複数準備しておきましょう。
外注するかどうか検討する
オウンドメディアを構築するためには、サイト設計、デザインの制作、コーディングなどさまざまな専門知識が必要不可欠です。専門知識・ノウハウや工数が不足しており、自社での制作が難しい場合は、この段階で外注先を選定しておきましょう。
オウンドメディア構築ステップ:サイト制作編
ここからは、より具体的なオウンドメディア設計と制作ステップに入っていきます。
CTAを決定する
はじめに、オウンドメディアのゴールとなるCTA(CVポイント)の設定から取り掛かります。BtoB企業の場合、主に考えられるCTAは次の9つです。
自社が獲得したいリードに合わせて、どのCTAを設定するのか決定しましょう。
○お問合せ
○資料請求
○見積り依頼
○無料トライアルの申し込み
○セミナー申し込み
○製品カタログダウンロード
○ホワイトペーパーダウンロード
○商材の会員登録
○メルマガ会員登録
CTAに落としこむ誘導ページを決定する
CTAが決定したら、サイト来訪者をそこへ落とし込むための誘導ページの用意が必要です。例えば、サービス紹介ページやLP、ブログ記事などがこれに該当します。
サイト構成図を作成する
CTA・誘導ページが決定したら、サイト構成図を作成してオウンドメディアのページ構成を決定しましょう。
TOPページ、誘導ページ、CTA(フォーム)の他に、記事やニュースなどのコンテンツページを加え、運営会社概要・プライバシー&ポリシー・サイトマップなどのページを洗い出し、樹形図にまとめて書き出します。
領域設計図(ワイヤーフレーム)を作成する
サイト構成図を作成したら、全ページの領域設計図(ワイヤーフレーム)を作成します。
特に、CTAに結びつく誘導ページの領域設計は、オウンドメディアのCVRを左右するため重要です。LPのストーリー設計や、バナーの設置方法、サイドバーやカラムの設計、ヘッダー・フッダーによるナビゲーションなど念入りに設計する必要があります。
フォーム入力項目を決定、データベース項目を洗い出す
領域設計図の作成と同時に、フォーム入力項目を決定しましょう。
フォーム入力項目が多すぎると離脱率が上がってしまいますので、企業名、氏名、メールアドレスなど取得したいリード情報の最低限の項目のみに絞り込むことが必要です。
デザインを作成する
サイトの領域が決定したら、デザインを制作しましょう。デザインはWEB上で公開・販売されているテンプレートを利用することも可能です。
コーディングを行う
デザインが決定したら、実際のコーディング作業に移ります。
専門知識が必要なため、コーディングのみを外注する手段もあります。
オウンドメディア構築ステップ:SEO対策編
オウンドメディアの制作と同時進行で、SEO対策の設計を行う必要があります。
SEO対策は、主に次の3ステップで実施できます。
SEO対策キーワードを決定する
まずは、そのオウンドメディアをWEB検索で上位表示させたいキーワードを選定します。たとえ検索数の少ないキーワードであったとしても、流入したユーザーがCVに至りやすいキーワードであれば積極的に狙っていきましょう。
BtoB企業のSEO対策キーワードの選定ポイントについては、こちらの記事でもご紹介しています。
▼検索キーワードの洗い出しと選定のための3つの軸▼
▼BtoB企業がSEOで成果を出すための方法▼
主要ページのSEO内部対策を考える
HTMLタグの設置や、meta descriptionの設定、画像へのAltタグの設定などといったSEOの内部対策を設計し実施しましょう。それぞれ最適な設置場所、文字数などが決まっていますので、注意が必要です。
コンテンツのSEO対策キーワードを設計する
こちらは、後述の「コンテンツ制作編」にも関連する内容です。記事などの各コンテンツを制作する際は、それぞれSEO対策キーワードを設定して対策を施す必要があります。コンテンツのテーマによっては、1つのコンテンツで複数キーワードの上位表示を狙うことも可能ですが、系統の異なったキーワードを沢山詰め込み過ぎてしまうと、SEO対策の軸がぶれてしまいますので、注意が必要です。
オウンドメディア構築ステップ:コンテンツ制作編
オウンドメディアは、SEO対策やコンテンツマーケティングの観点から、定期的なサイト更新が重要です。その中心となるコンテンツ制作について、制作体制を整えておくことが大切です。具体的には、次のようなステップが必要です。
ライター・運営担当者を決定する
コンテンツの制作担当者、およびサイトアップロードや更新業務などの運営担当者を決定しましょう。ここに掛ける工数が社内に不足している場合は、外注する手段もあります。
コンテンツの方針を決定する
今後制作するコンテンツが施策の方針とぶれないように、方針を明文化しておく必要があります。コンテンツの方針決定を含めて、コンテンツマーケティングで成果を出すための基本的なポイントについては、こちらの記事でも紹介しています。
▼コンテンツマーケティングで成果を出すための5つのポイント▼
▼ニーズ・課題を持つリードを獲得できるホワイトペーパーの作り方▼
コンテンツ制作スケジュールを作成する
前述の通り、オウンドメディアには定期更新が大切です。更新頻度を落とさぬように、コンテンツの制作スケジュールをあらかじめ作成しておきましょう。
オウンドメディア構築ステップ:効果計測編
オウンドメディアの運用を開始した後は、定期的な効果計測を行ってPDCAを回し、サイトや施策を改善していくフローが重要です。そのため、オウンドメディア構築の際に運用開始後の効果計測ができるよう、あらかじめ環境を準備しておく必要があります。主に次の3つの環境準備が必要です。
Google Analytics / Search Console の環境準備
サイトのPV数やセッション数、離脱率、チャネル別の集客数の増減など、オウンドメディアのパフォーマンスを計測するうえでGoogle Analyticsの利用は欠かせません。Google Analytics で効果計測が行えるように、Googleアカウントの設定や計測タグの設置、CVポイントの設定(Google Analyticsでは、”目標”の設定と呼びます)などを行います。
また、制作したWEBサイトが正常にインデックス化されているかどうか定期的にチェックするために、Search Console も利用できるよう、アカウントにプロパティを設定しておきましょう。
SEO対策ツールの選定・導入
実施したSEO対策の状況が、実際の検索順位の変動やサイト流入数の変化にどのように影響したのか計測し、分析を行うためのSEO対策ツールを導入しましょう。SEO対策ツールは、有料のものだけでなく無料で利用できるものもあります。
▼SEOの効果を見える化し改善する注目ツール▼
MA環境の整備
せっかくオウンドメディアを構築するのであれば、ハウスリストからのリード獲得も狙ってMA活用をおすすめします。MAを活用すれば、メール配信でハウスリストの顧客をLPやコンテンツへ誘導して定期接触を図り、リード獲得に繋げることが可能です。
こちらも、実施する場合は効果計測用のタグをサイトに設置したり、CVポイントの設定を行ったりする必要があります。
MAもSEO対策ツールと同様に、近年は無料で利用できるものが存在しています。
こちらについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
▼無料で使えるマーケティングオートメーションツール3選~国内外の無料MAでできることをご紹介~▼
オウンドメディア構築の参考になる記事一覧
最後に、ここまでオウンドメディア構築に必要なステップをまとめて紹介してきましたが、実際にオウンドメディアを構築するうえで役立つ情報記事を以下にまとめましたので、よろしければこちらも是非ご覧ください。
★「WEBサイト構築・改善」に役立つ情報記事一覧★
WEBサイト構築・改善に関連する記事の一覧は、こちらからご覧いただけます。
■「コンテンツ制作」に役立つ記事
▼コンテンツマーケティングで成果を出すための5つのポイント▼
▼ニーズ・課題を持つリードを獲得できるホワイトペーパーの作り方▼
■「SEO対策」に役立つ記事
▼BtoB企業がSEOで成果を出すための方法▼
▼検索キーワードの洗い出しと選定のための3つの軸▼
▼SEOの効果を見える化し改善する注目ツール▼
■「MA活用」に役立つ記事
▼無料で使えるマーケティングオートメーションツール3選~国内外の無料MAでできることをご紹介~▼
▼マーケティングオートメーションを活用したワントゥワン マーケティングのポイント▼
▼【事例で解説】マーケティングオートメーションを活用したデジタルマーケティングモデル▼
■「サイト改善・効果計測」」に役立つ記事
▼Webサイトのアクセス分析で、注目するべき項目7選▼
▼CV率アップに効果を発揮する、4つのサイト改善点 ~コンテンツ&テクニック集~▼
▼デジタルマーケティングのデータ分析の誤解と分析のための着眼点▼